広大地適用の要件 広大地を適用するには、4つの要件をすべて満たす必要があります。
要件01 「大規模工場用地に該当しない」

財産評価基本通達24ー4によると、「大規模工場用地とは、財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地に該当するものをいいます」と定義されています。

財産評価基本通達22-2では、「大規模工場用地とは、一団の工場用地の地積が5万平方メートル以上のものをいう。ただし、路線価地域においては、14-2≪地区≫の定めにより大工場地区として定められた地域に所在するものに限る」とされています。

土地面積が50,000m2以上で、大工場地区に区分されている(路線価地域においては)という2つの条件を満たすものが、大規模工場用地だと定義されています。

4つの要件のうち、唯一、定義が明確で、議論の余地があまり無い要件と言えるのではないでしょうか。

中小規模の工場用地(つまり、50,000m2未満の工場用地)については、ミニ開発が進んで住宅と工場が混在する地域もありますので、工場用地であっても、広大地の可能性を十分に検討する必要があります。

要件02 「中高層の集合住宅等の敷地用地ではない」

国税庁の質疑応答事例によると、『「中高層」には、原則として「地上階数3以上」のものが該当します。また、「集合住宅等」には、分譲マンションのほか、賃貸マンション等も含まれます。』とあります。

「中高層の集合住宅等の敷地用地ではない」とは、「3階建以上のマンション用地ではない」ということです。

戸建住宅用地なのか、マンション用地なのか、という判断については、都心へのアクセス、最寄駅への距離、住環境等がポイントになります。周辺地域における実際の開発動向について、十分に調査する必要があります。但し、戸建住宅用地なのか、マンション用地なのか、微妙な案件、判断が難しい物件は多数存在します。

この判断が難しい物件についての国税の見解です。16年情報(平成16年6月29日付資産評価企画官情報第2号:財産評価基本通達の一部改正について)で、次のように言っています。

マンション適地の判定
評価対象地について、中高層の集合住宅等の敷地、いわゆるマンション適地等として使用するのが最有効使用と認められるか否かの判断は、その土地の周辺地域の標準的使用の状況を参考とすることになるのであるが、戸建住宅とマンションが混在している地域(主に容積率200%の地域)にあっては、その土地の最有効使用を判断することが困難な場合もあると考えられる。 このような場合には、周囲の状況や専門家の意見等から判断して、明らかにマンション用地に適していると認められる土地を除き、戸建住宅用地として広大地の評価を適用することとして差支えない。

専門家の意見で、マンション用地と戸建用地のどちらにも適しているという場合は、「広大地」の適用を認めているということです。判断がつきにくい物件については、是非、不動産鑑定士の活用をご検討ください。

もう一点、マンション用地か戸建用地かを判断する重要な論点になるのが容積率です。(容積率には、指定容積率と基準容積率があります。指定容積率とは、その地域の容積率で、都市計画課や市区町村ホームページの都市計画図などで確認できます。一方、基準容積率とは、対象物件自体に対する容積率です。)
国税庁の質疑応答事例で、下記のような見解が示されています。

(原則)
指定容積率が300%以上の地域内にある場合には、戸建住宅の敷地用地として利用するよりも中高層の集合住宅等の敷地用地として利用する方が最有効使用と判断される場合が多いことから、原則として「中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの」に該当することになります。
(例外)
地域によっては、指定容積率が300%以上でありながら、戸建住宅が多く存在する地域もありますが、このような地域は指定容積率を十分に活用しておらず、①将来的にその戸建住宅を取り壊したとすれば、中高層の集合住宅等が建築されるものと認められる地域か、あるいは、②例えば道路の幅員(参考)などの何らかの事情により指定容積率を活用することができない地域であると考えられます。したがって、②のような例外的な場合を除き、評価対象地が存する地域の指定容積率が300%以上である場合には、「中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの」と判断することになります。

指定容積率が300%以上であっても、前面道路が狭い場合、容積率の異なる用途地域にまたがっている場合などは、基準容積率が300%未満になる場合があります。このような場合は、例外として「広大地」の適用を認めるということです。基準容積率について十分調査を行う必要があります。基準容積率の把握についてもアドバイスいたしますので、お気軽にご連絡ください。

要件03 「地域における標準的な宅地に比して著しく広大である」

「著しく広大である」の定義については、そのものズバリではありませんが、16年情報(平成16年6月29日付資産評価企画官情報第2号:財産評価基本通達の一部改正について)で、広大地に該当する条件の例示として土地面積についての見解が示されています。

広大地の範囲(広大地に該当する条件の例示)
普通住宅地区等に所在する土地で、各自治体が定める開発許可を要する面積基準以上のもの
(注)ミニ開発分譲が多い地域に存する土地については、開発許可を要する面積基準(例えば、三大都市圏500㎡)に満たない場合であっても、広大地に該当する場合があることに留意する。

開発許可を要する面積以上であれば、面積要件はクリアしていること、開発許可を要する面積未満でも広大地を適用可能な場合があるということが分かります。
開発許可を要する面積基準は、以下の通りです。

(面積基準)
■市街化区域
 三大都市圏・・・・・・・500㎡
 それ以外の地域・・・・・1,000㎡
■非線引都市計画区域・・・・3,000㎡
(非線引都市計画区域で、用途地域の指定がある場合については、市街化区域と同等に扱う。)

「地域における標準的な宅地」をどう考えるかについては、明確な規定がありません。特に、比較的規模の大きい店舗と戸建住宅が混在しているような立地については、面積の大きな店舗用地を「標準的な宅地」と考えるか、戸建住宅用地を「標準的な宅地」と考えるかによって、広大地の適用可否が変わってきます。
このような判断が難しい物件については、税務署側と見解の相違が生じやすいグレーゾーンの物件と言えますので、専門家(不動産鑑定士)を活用し、しっかりと対策(更正の請求による「広大地」の適用、「鑑定評価」を使った当初申告など)を練ることをお勧めします。

要件04 「開発行為を行う場合、道路等の負担が必要である」

「開発行為を行う場合、道路等の負担が必要である」とは、対象不動産の戸建開発を想定する際、下図のように、開発道路が必要になる場合を言います。

開発想定図を描く場合には、役所調査(接面道路の状況、開発道路の幅員、1区画当たりの最低敷地面積又は平均敷地面積など)とマーケット調査(周辺エリアにおける開発動向、分譲宅地の平均的な土地面積)を行った上で、実現可能で現実的な開発想定図を描くことに留意する必要があります。

但し、下記のように、旗竿地を使用した開発(開発道路は不要)と、開発道路を使用した開発のどちらも考えうる物件については、判断が難しく、税務署側と見解の相違が生じやすいグレーゾーンとなっています。
開発道路が必要か?旗竿地を使用した開発が妥当か?については、周辺の開発動向を十分に調査すると同時に、広大地を適用する場合には、そのリスクについても十分な検証を行っておく必要があります。

大きく4つの要件をご説明しましたが、では、これら全ての要件に適合し「広大地」と判定された場合、どれぐらいの割合の補正率が適用されるのか、広大地の補正率について詳しく解説したページをご用意致しました。
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